ジャパンカップ予想
今週はジャパンカップ開催ということもあり、海外競馬の専門家で「世界のコウタ」とのニックネームがあるコウタさんに話を聞きに行った馬券師K。そこで出した結論とは?
馬券師K「こんにちはコウタさん。ご無沙汰してます。」
コウタ「よぉ馬券師Kくん、久しぶりだね、元気かい。秋のGⅠ成績はどうなの?」
馬券師K「いやぁー、これがさっぱりでして、先週のマイルCSはいいところもなく沈没でした。」
コウタ「難しいレースだったからなぁー、仕方ないよ。」
馬券師K「(納得しながら)そうですよねぇ。あのレースを当てろって言う方が無理ってもんですよ。それにしても外国馬のイモータルヴァースがさっぱりでしたよね。海外競馬を知り尽くしているコウタさん的にはどう見えましたか?」
コウタ「イモータルヴァースは層の厚い欧州マイル路線でも一線級の馬だから、あっさり勝たれても驚けないと思っていただけに、あの凡走には少し失望したねぇ。馬場が合わなかったみたいだが、そんなの言い訳にならないよ。なら連れて来ないで欲しいよね。キャリアにキズがつくだけだから。」
馬券師K「同感です。ロケットマンもそうでしたが、まともに走ればアッサリって馬が負けている現実を見せつけられると、外国馬の海外での実績を信用していいのか判断に迷いますよ。予想する側からすると難解この上ない。スノーフェアリーみたいにメチャメチャ走る馬との違いが分からないですからね。」
コウタ「そうなんだよ。私も05年のジャパンカップで苦い思い出を経験したから、その気持ちよく分かるよ。」
馬券師K「(苦笑しながら)あの予想がハズレた罰として坊主になったことですか。」
コウタ「(首を傾けつつ)普通に走れば的中間違いないと思ったんだけどねぇ。確かに日本馬も強くなったと思うけど、外国の一線級の馬を見続けている僕から言わせると、だらしないの一言だよね。」
馬券師K「そこで今年のジャパンカップですが、今年も人気になりそうな凱旋門賞馬の13番デインドリームが出てきましたよね。この馬についてのコウタさんの評価はどうなんですか?」
コウタ「凱旋門賞がとにかく圧倒的だったからね。この馬は本物だと思うよ。元々ドイツで古馬の一線級相手に楽勝してきた馬なんだけど、ここまで走るとは思っていなかったよ。サンクルー競馬場でのGⅡ5着から、たったの3ヶ月でここまで急激に強くなった馬は見たことないな。」
馬券師K「凱旋門賞の勝ち時計も2分24秒台ですし、今までの基準を考えるとかなり速いですよね。」
コウタ「その凱旋門賞で人気がなかったのはソコなんだ。ドイツで楽勝していたとはいえ、勝ち時計が2分30秒台だったからね。またドイツ調教馬なので嫌われていた可能性もあるな。」
馬券師K「競馬二流国のドイツ、イタリアあたりは嫌われますか?」
コウタ「もちろん。海外の競馬人はそう見てる。それが人気に反映していたよね。」
馬券師K「個人的にはドイツと言えば95年のランドを思い出すのですが。」
コウタ「あぁ、あのランド、マイケル・ロバーツね。実績はそれほどでもなかったけど、ロバーツがこの馬は日本の馬場向きってことで連れてきた馬だったね。」
馬券師K「強い勝ち方でした。デインドリームはランドと同じドイツ調教馬ということで、その再現があるのかなぁと個人的には考えてます。たださっきも言った通り、海外の実績がそのままジャパンカップの成績に反映していないのが気になりますが。」
コウタ「でも今回のデインドリームは違うと思うよ。時計を持っているし、3歳牝馬だから53キロで出走できるのもかなり大きい。過去30年に3歳牝馬の勝利はないとはいえ、この馬は規格外の馬だから、あっさり楽勝なんてこともあるかもよ。」
馬券師K「そうですね。少なくとも馬券対象からは外せない馬だと思います。それ以外の外国馬についてどのような見解ですか?」
コウタ「凱旋門賞2着の14番シャレータはいい先行力を持っていて、崩れたレースはフランスオークスだけなんだけど、この時は後方からのレースだったからね。鞍上のルメールも怖いな。ただデインドリームとの5馬身差を詰めるのは難しいかな。それから同じフランスの9番サラリンクスは、遠征した前走のカナディアン国際で牡馬陣を問題にしない楽勝が光ったね。調子次第で上位を狙える可能性はあると思う。アメリカから来た11番ミッションアプルーヴドは今季初戦のマンハッタンハンデを逃げて勝った馬。ただアメリカの芝路線のレベルは欧州と比べると落ちるからね。そこらへんがどうかだろう。」
馬券師K「対する日本馬ですが、天皇賞(秋)同様にいいメンバーが揃いましたよね。」
コウタ「本当にいい馬が揃ったよね。2番ブエナビスタを筆頭に、昨年の勝ち馬3番ローズキングダム、ドバイワールドCを制した8番ヴィクトワールピサ、天皇賞(秋)をレコードで勝った16番トーセンジョーダンに、3歳勢を代表して12番ウインバリアシオンが挑戦してきた。どの馬が勝ってもおかしくない、とてもエキサイティングなレースが観られると思うよ。」
馬券師K「それ以外にも7番ペルーサ、15番エイシンフラッシュ、6番トゥザグローリーの4歳勢に、1番ジャガーメイルくらいまでが馬券圏内だと思います。」
コウタ「そうだね。もう目移りしちゃうメンバー構成で、馬券師Kくんも予想のしがいがあるんじゃないの?」
馬券師K「もちろんですよ。迷うほどのメンバー構成だと思いますが、昨年通りならブエナビスタの力が一枚上だと思うんですよね。ただ一つ年を取って力が落ちているかなって感じもしますから悩みますよ。」
コウタ「そうだね。それでも前走は狭い所から伸びた来たように、闘争心に火が付けば今回は力を見せつけるかもしれない。」
馬券師K「そうですね。まだブエナビスタの実力を甘く見てはいけないと思いますよ。」
コウタ「馬券師Kくん的にトーセンジョーダンの評価はどうなの?」
馬券師K「前走はフロックじゃないですよ。元々クラシック候補として名前が挙がっていたくらいの馬が、いよいよ本物になってきたなって感じですね。血統的に距離延長も望むところなんじゃないですか。」
コウタ「全く同感だね。もしかしてトーセンジョーダンが一番勝ち馬に近いかもしれないなぁ。」
馬券師K「個人的にはエイシンフラッシュが怖いと思います。前走もあれだけハイペースで先行集団にいてもそれほどへばらなかった。今年はまだ勝ち星に恵まれていないが、3着圏内の軸としては悪くないんじゃないかなって思います。」
コウタ「軸としてならペルーサもいいと思うよ。末脚の鋭さはこのメンバーの中に入っても上位だろう。嵌れば一発があっても驚けないな。ドバイWCを勝ったヴィクトワールピサだって久々になるけど実力・実績ともあるぞ。」
馬券師K「とにかく目移りするメンバーが多くて困りますよね(笑)」
コウタ「今年は罰ゲーム予想をしないぞ(笑)」
馬券師K「個人的にランク付けすると、まずデインドリームとブエナが抜けていて、それを追う存在がヴィクトワールピサ、ローズキングダム、エイシンフラッシュ、ペルーサ、トゥザグローリーの強力4歳勢に、天皇賞(秋)を勝ったトーセンジョーダンと凱旋門賞2着のシャレータの7頭。3番手グループが菊花賞2着のウインバリアシオンとジャガーメイルという感じですね。サラリンクスもこのグループには入るかな。」
コウタ「菊花賞で2着したウインバリアシオンの評価が低いね。あの3冠馬オルフェーヴルの2着だよ。」
馬券師K「今年の3歳牡馬勢は例年よりも弱いと思うんですよ。オルフェーヴルが頭2つ分ほど抜けていただけで、それ以外の馬は例年以下のレベルなんじゃないでしょうか。そう考えるとウインバリアシオンの馬券は切っても構わないという判断してます。」
コウタ「じゃ馬券はどう買うの?」
馬券師K「あのスノーフェアリーを子供扱いしたデインドリームに、復活したブエナが襲いかかって一気討ちという場面を想像しているんですよ。私は予想をする時にどういうレースになって欲しいのかをまず考えるんです。もしその通りに来たら喜び倍増じゃないですか。もちろんその通りにならない確率が高ければその予想は買いませんけど(苦笑)」
コウタ「馬券師としての腕も大事だが、競馬ロマンも大事という訳だ。」
馬券師K「その通りです。特にジャパンカップみたいな日本を代表するような大レースは、もう馬券的中よりもロマンを買うみたいなものですね。馬券はハズレましたけど、一昨年のウォッカの勝利は感動しましたよ。昨年は後味の悪い降着があったので、今年尚更ロマンを追求したいですね。」
コウタ「じゃぁ最終決断はやっぱり?」
馬券師K「ブエナ1着、デインドリーム2着の馬単1点です。コウタさんに話を伺う前から決めてました(笑)」
コウタ「アハハ、そうだったの。確かに力はこの2頭が抜けていると思うからね。いい予想だと思うよ。」
馬券師K「ありがとうございます。私は馬券師であると同時に競馬ファンでありますから、どっちが勝つんだ、みたいなガチンコ勝負がみたいんですよね。タマモクロス対オグリキャップから競馬ファンになったくらいですから。」
コウタ「私も競馬ファンとして同感だよ。今世界ナンバーワンホースはマイル路線の9戦9勝英国馬フランケルって言われているんだけど、オーストラリアの16戦16勝スプリンターであるブラックキャヴィアとの対戦を切望しているよ。ブラックキャヴィアは来年ロイヤルアスコットに行きたいみたいだから、そこで対戦なんてことも。今からワクワクしているんだ。」
馬券師K「コウタさんは語り出すと子供みたいですね。競馬はギャンブルというのは一面的な見方で、真の競馬はロマンであり、文化なんですよね。本日はどうもありがとうございました。」
コウタ「また来てね。」
コウタさんとの馬券検討会を終えた馬券師Kであったが、再び日を置いて考えた結果、とりあえずデインドリームとブエナの馬連は押さえておくことにした。それでもこれだけ絞れば配当は悪くないと思った次第だ。
という訳でジャパンカップ予想は以下の通りに。
馬連2-13、馬単2→13 計2点
今週の勝負レース
京都9R白菊賞
単勝1シャンボールフィズ
新馬戦勝利後、次走には東京7Rベゴニア賞を使う予定だったが、今後のローテーションのためにあえて牝馬限定戦のある関西に遠征して勝ちに来た。初戦の勝ちっぷりを見ると、素質馬が揃ったベゴニア賞でも勝ち負け出来る素材であり、血統もよく、牝馬クラシックを意識させるだけの素質があると思う。2着争いは混沌としているが、前残りがありそうな雰囲気を感じるので、11番フレイムコードが怖いと思う。
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